← 放送回リスト

生ネコバニーの冒険 ACT41

ゲスト - 森一生

恋人と秘湯巡りを楽しんでいる緑川。
とある廃屋の井戸の温泉に浸かった翌日、恋人の皮膚がただれ、「ねこのひげ〜!」と叫び出した。
助けを求めて飛び込んだ家には、子猫を抱いた和服の女がいて…

2016年8月19日生放送のアーカイブ

森一生 / もりいっせい
1988年8月24日生 / 愛知県出身 / 俳優
舞台や自主映画を中心に活動しています。歴史、街歩きが好きです。
羽生生純監督「サメナイユメコは選択した」、木ノ下歌舞伎「三人吉三」、スーパー歌舞伎U「ワンピース」などに出演。
オフィシャルブログ

今回の即興劇設定

とある古民家。
恋人がゾンビ化してしまった男とその男に助けを求められる未亡人。

山口監督から 阿部恍沙穂への役柄指定

澤津久森信子(さわつくもりのぶこ)

38歳/女/既婚/大分県出身

未亡人。大分県在住。澤津久森家に嫁いできて16年。
夫、澤津久森甚大朗(さわつくもりじんだいろう/享年35歳/大分県出身)は5年前にクリムゾシラヌイ病という奇病にかかって病死してしまった。

澤津久森家は300年前から代々この不知井村(しらぬいむら)の秘湯「不知井の湯」を守り続けてきた一族である。

「不知井の湯」は村のはずれに位置するこの澤津久森家の裏庭にある井戸のような見た目の小さな穴なのだが、そこに赤い色の温泉が湧いており、昔は入浴することが出来た。
しかし、湯量も極めて少なく、独特の成分が原因で人によっては体調を崩してしまう場合があり、温泉としての営業などが行われる事は無かった。いわゆる秘湯と呼ばれる類のものである。

さらに甚大朗の父親、甚五朗(じんごろう)が奇病で病死した際に甚大朗が「やはりこの井戸が病の原因だ!」と言って温泉に蓋をしてしまったので、今はもう入浴どころか、湯の様子を見ることすら出来ない。

蓋は頑丈な鉄製で、大きな錠前も付けられており、今もそのままである。
しかしその2年後、甚大朗も同じクリムゾシラヌイ病に罹患し、病死してしまったので、病と温泉の関連性は不明のままである。

信子は大分の比較的栄えた都市部で生まれ育ったのだが、父親が勝手に決めた見合いで甚大朗と出会い、この村に嫁いでくる事となったのだ。
しきたりの厳しい古い家だったが、甚大朗とは意外と気があったので結婚生活は案外幸せに満ちていた。

趣味は猫と遊ぶ事と海外ドラマ鑑賞。
いまはアメリカ ワシントン州の農場を舞台にしたコメディドラマ「農園サクリファイス」に夢中である。
最近子猫を飼い始めた。名前はまだ無い。

クリムゾシラヌイ病は、この地域のみに昔から伝わる風土病である。
症状は急な発熱に始まり、全身が赤くただれ、痒みを伴い、意識レベルの低下がおこる。
その後、体細胞の異常な分裂と壊死が繰り返され、患者の体は異様な姿へと変貌していく。
まるでホラー映画に出てくるゾンビのような症状である。

また患者は何故か猫のような鳴き声を発し、猫のヒゲを食べたがるという特徴がある。
実際に猫のヒゲを1000本食べさせたところ、一時的に言葉が話せるほどに回復したという言い伝えがある。
昔から不知井の湯に含まれる鉱物か寄生虫が原因ではないかと噂されているが世界の病院や研究機関でも未だ解明されていない難病である。

シチュエーションは大分の山村にある築百年の古い民家という設定です。
エチュードスタート時は家の別の部屋で待機してください。
可能であれば和服を着用してください。

山口監督から 森一生への役柄指定

緑川芳正(みどりかわよしまさ)

27歳/男/独身/愛知県出身

フリーター。東京都在住。趣味は温泉旅行と海外ドラマ鑑賞。

いまはアメリカ ワシントン州の農場を舞台にしたコメディドラマ「農園サクリファイス」に夢中である。

ここ2年ほど休日のたびに彼女の新村朱里(にいむらあかり/26歳/東京出身)と日本各地に温泉旅行に行く事を楽しみとしている。
お互い温泉好きで国内の主要な温泉地はたいてい行き尽くしたので、最近は誰も行かないようなマイナーな村などを訪れて秘湯や廃墟を巡る旅を楽しんでいる。

今回は2泊3日の予定で大分県の小さな山村、不知井村(しらぬいむら)にやってきた。

村の小さな旅館に泊まり、昨日は村のはずれにある秘湯に入ってきた。
秘湯ガイドのようなものにすら載っていない温泉だったが、朱里と一緒に古い文献から手がかりを見つけて、噂を頼りに辿り着いた、まさに秘湯中の秘湯だった。

手に入れた地図を元に、村のはずれにある古びた廃屋の裏庭にいくとそこには小さな井戸のような物があり、金属の蓋が取り付けられて大きな錠前で厳重に鍵がかけられていた。

さすがにまずいだろうと朱里が止めるのも聞かず、緑川は錠前の鍵を無理矢理開けて蓋を外した。
過去に鍵屋の仕事をしていたので鍵あけは得意だった。
井戸の中には赤く濁ったお湯が溜まっていて、強烈な硫黄の匂い。
温泉好きな二人はたまらず、飛び込んだのだった。

井戸の中は狭くて二人が一緒にギリギリ入れるくらい。
お湯の深さは40cmほどだった。
10分ほど浸かっていると廃屋からネコの鳴き声と人の話し声が聞こえてきた。
どうやら廃屋ではなかったらしい。
さすがに人の家の井戸に裸で勝手に入っているのはまずいと思い、慌てて逃げ出した次第だが湯加減は絶品で二人はとても満足だった。

事件が起きたのは翌日の朝だった。
緑川が宿で目を覚ますと朱里の様子がおかしい。
高熱を出して、カラダが痒いと泣き叫んでいる。
体はところどころ細胞が壊死したように赤くただれている。
もはや本当にこれが朱里なのかどうか怪しいくらいである。

しかし声は朱里のままで苦しみながら、「かゆい!ネコのヒゲちょうだい!ネコのヒゲェェェー!」とわめいている。
その異様な姿はまるで「農園サクリファイス」に出てくるゾンビ保安官みたいだ。

助けを呼ぼうとしたが山奥すぎて携帯は圏外。
なぜか旅館の従業員も見当たらない。
旅館の周囲にも人がいない。
慌てて外に飛び出した緑川はふと思い出した。
昨日の古民家に猫がいた!あんなに猫のヒゲを欲しがってるからには与えれば何か解決の糸口が見つかるのかもしれない。
朱里を助けたい一心で緑川は昨日の古民家に向かって走り出した。

シチュエーションは大分の山村にある築百年の古い民家という設定です。
エチュードスタート時は家の外で待機して、スタートの10秒後に家に入ってください。